TOE BY TOE 教材でのデコーディング活動 1

  • 2017.09.05 Tuesday
  • 19:48

 

ディスレクシアのある生徒の英語の読み(デコーディング)活動では、イギリスの教材 TOE BY TOE を使用しています。アルファベットの1文字1音をしっかり定着させた後に行います。

 

こちらの教材では、無意味語(存在しない無意味な語)を正確かつ流暢に読む練習をします。つまり、文字を音に変換(デコーディング)し、それらの音をつなげて(混成・ブレンディングして)語を読んでいくことになります。

 

アルファベットの1文字1音の定着とブレンディングについては、別の投稿でまた詳しく。ここではデコーディングに特化した TOE BY TOE を用いた活動についてご紹介します。

 

なお、TOE BY TOE の指導法を教えてくださった神戸山手短期大学 村上加代子先生には、指導を進める中で出てくる疑問点やつまずきについてもたくさんのアドバイスをいただきました。この記事も村上先生からの情報に基づいたものであることを、ここに記載します。感謝!

 

村上先生とは英語教育ユニバーサルデザイン研究会にてご一緒させていただいていますので、ご興味のある方はホームページをチェックしてみてくださいね。情報もりだくさんの内容です。

https://www.manabishien-english.jp/

 

 

 

 

では、活動内容です。av など2文字の語から読んでいきますが、seg などの3文字になるととたんに困難になることがあります。その場合は、後ろの2文字をまず読み、そこに頭の1文字を足すようにします。このとき、3文字はCVCとなっていますので(Cは子音、Vは母音)、頭の1文字Cがオンセットで後ろの2文字VCがライムとなり、母音の前で区切ることになります。

 

母音を意識させるために、母音の前をスラッシュで区切ったり、母音に蛍光ペンで色を付けるのもおすすめ。私は生徒にしてもらいます。日本語はCV‐CVという構造ですが(ローマ字で考えると分かりやすいですね)、英語のC-VCを意識することが重要です。これをすることでかなりスムーズに読めるようになります。

 

また、ブレンディングにはある程度正確な発音が必要なため、発音指導は厳しめにします。日本人はどうしてもローマ字のように子音の後に母音を付けて発音してしまうのですが(例えば、t をトゥと発音)、そうすると taf がトゥアフとなってしまいます。ただ、ネイティブのような発音を求めるわけではなく、「自分なりに読み分けられているか」をみます。

 

特に母音はかなりしっかり行います。a, o, u は音が似ていて紛らわしく、後々書くときにも影響してくるからです。ア、オ、ウで覚えていると混乱する場面がたくさん出てきます。やってみると分かるのですが、e, i もある一定の読み間違いをすることが多いので、次の投稿でつまずきとその対策をまとめたいと思います。

 

ちなみに、TOE BY TOE をこのように進めていくと、自然に母音にアクセントを置いた英語らしい発音になります。嬉しいおまけ、くらいに私は考えていますが、生徒本人はきれいに発音できているのに自分で気付くので、楽しそうにすることもあってそれは嬉しいです。(ときどき間違われるのですが、ここで言う「読み」は、発音のことではありません。)

 

 

 


TOE BY TOE だけで練習が足りないようなら、別途オンセットやライムの置換練習を行います。同じ間違いを何度も繰り返すとその誤った読みが定着してしまうので、何度も同じ間違いをさせないことが大切です。同じ間違いが続くときは、いったん TOE BY TOE から離れて、苦手なところを練習します。

 

ここでなぜ無意味語で練習するのかというと、知っている意味のある語だと、文字やつづりの形から意味を思い出し、そこから音を想起するので、語が読めている(デコーディングできている)ことにならないからです。文脈で類推してしまうことも同様です。

 

昨日も生徒が morning という語を読んでいたのですが、最初の mor と最後の g だけ読み、かなり時間をかけて「あ、モーニング?」と言っていました。(音素では g ではなく、ng で一音ですが。)文法の授業のときだったのですが、読み書きの練習もどこかでしたいなと思っている生徒です。

 

このような場合、そもそも語を知らないと読めない、似たつづりの語を読み間違うことになります。ディスレクシアのある生徒は英語の語彙が少なくなりがちなので、なんとなく見た目から知っている語を頭の中で探り当てて読む、というのは読みの方略としては弱く、かなり困難な状態が続いてしまいます。

 

さて、この活動で見られやすいつまずきとその対策については、次の投稿に続きます。

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