今夏のジョリーフォニックス講座のフォローアップを行いました

  • 2017.12.28 Thursday
  • 00:52

今夏ジョリーフォニックス公式トレーナー 山下桂世子先生を講師にお迎えして開催した「児童生徒対象ジョリーフォニックス特別講座」のフォローアップを2日間かけて行いました。


1日目に見学に来てくれた作業療法士 あつし先生と小学校英語 藤井先生のアドバイスのもと、2日目はさらにレッスンがパワーアップしましたよ!


正直なところ、山下先生の後に私が指導して良いものか…とも考えたのですが、やってよかった!と思えるところが、ジョリーの教材と山下先生の指導者向けトレーニングの素晴らしさなのだと思います。


そしてもちろん子どもたちの様子からは、指導者としての私に必要なことや今後すべきことをたくさん気付かせてもらいました。次はこんなことしよう、あんなことしよう、とアイディアどんどんがわいてきます。


また、ウォーミングアップで最初に音韻認識活動もしっかり行ったことが、ディスレクシアのある生徒には効果的だったように思います。みんなにこにこ笑顔いっぱいで帰っていきました。


リンクスではみんなそれぞれのスタイルで自由にやっているように見えるかもしれませんが、だからこそひとりひとりが自分の目標をきちんと持てていることを実感しました。





ジョリーのデコーダブルリーダーズが届きました

  • 2017.12.02 Saturday
  • 00:28


Jolly Grammar の Teacher's Book と Student Book、そして Decodable Readers が届きました。






私の机の横の作業台に置いていたのですが、学習の合間にすぐに見つけて「これなあに?」と手に取る小学生が多く、中学生くらいになると「こんなの届いたよ」と声をかけると「マキ先生また何かしてるん」と見に来てくれます。


ジョリーフォニックスを学んでいる生徒たちなので「もう読めると思うよ」と言うと、できるかも、ちょっと読んでみよう、と一生懸命にデコーディング(文字を音に変換)していました。


カタツムリとナメクジだけが登場する一冊があり、私にはそれがおもしろくてみんなに勧めて楽しんでいます。「ナメクジって英語でなんて言うんやろ」とちょっぴりがんばって読んでくれます。それから「カタツムリとナメクジってどう違うんやろ」と考えていました。


みんな英語が読みたいんだなと感じます。ジョリーフォニックスで読める自分に少し自信がついてきているのでしょう。そして、知りたいことが英語で書いてあるときは、知識を得るために英語を読もうとするのですね!


ディスレクシアのある中学生が今日帰り際に「一冊読み切った、って思えるんですね」と私に言いました。短いお話で一冊になっているので達成感が感じられると思うのですが、このようにすぐその気持ちを言語化できる力に感服しました。


読み書きに困難を持っていても、こんなにきらきらとした瞳で文字を追う生徒たちに、この先英語を嫌いにさせてしまわないようにしたいと心から思います。もう高校受験で「英語は捨てる」と悲しい顔で言わせたくないのです。

英語教科書『NEW CROWN』播州弁バージョン

  • 2017.11.29 Wednesday
  • 21:13

 

市内中学校で熱血生徒指導ご担当の別所慶吉先生は、実は英語科教諭です。英語教科書『NEW CROWN』の播州弁バージョンを一緒に録音しました。

 


とてもとても楽しい録音になりましたよ。読み書きする際に役立つよう、文法や英単語にある程度の忠実さは残しつつ、リアルな播州弁を当てはめることに必死の二人。

 

 

 


別所先生「このページおもろないなあ。いらんやろ」
私「こういうのが好きな子もおるかもしれへん。はい録音するで」

 


官民協力を応援してくださる校長先生にも感謝です。事前事後で生徒の学びがどう変わるか、あるいは変わらないとしたらなぜのか、よく見ていきたいと思います。

英語の九九と日本の九九、算数教材の謎

  • 2017.11.29 Wednesday
  • 18:59

 

基本的な四則計算の練習ができるラーニング・ラップアップス(LEARNING WrRAP-UPS)。イギリスの教材会社から数年前に買ったもののあまり活用できていなかったのですが、手の操作性や力加減に苦手さがある生徒がその力を育む面でも役に立つかしらと思い、引き出しの奥から引っぱり出してきました。

 

 

 

 

実はこれ、かけ算だけ少し気になる点があったのです。「×3」と書いてあるのですが、「3×」の方が九九に即して直感的に数を操作しやすいのではと思っていました。でも何かこのようにする理由があるのかもしれない…。ついにその謎が解けました!

 

 

ジョリーフォニックスの y のページのイラストは教室の場面で、その壁に九九の表が貼ってあります。「1×2、2×2、3×2、4×2…」イギリスの九九はかける数とかけられる数が、日本の九九とは逆になっていますね。『はじめてのジョリーフォニックス ティーチャーズブック』には、その理由が書いてありました。

 

 

九九が逆であることはトレーニングのときに教えていただいたような気もするのですが、そのこととラーニング・ラップアップスのことが私の中で結びついていませんでした。久しぶりにラーニング・ラップアップスのひもをぐるぐる巻きながら、はっとしましたよ!

 

 

理由が分かったので、自信を持ってラーニング・ラップアップスの数字の上の×を消し、下に新たに×を書き込みました。今度こそ教室で活用したいと思います。おもしろいですね。

第7回リンクス読み書き講座のお知らせ

  • 2017.11.27 Monday
  • 14:56

 

第7回リンクス読み書き講座は、今年8月に開催した「児童生徒対象 ジョリーフォニックス特別講座」受講生のフォローアップ講座として開催いたします。苦手な生徒の多いダイグラフやひっかけ単語にもしっかり取り組みます!

 

 

ディスレクシアのある生徒の高校英語教科書を録音しました

  • 2017.11.22 Wednesday
  • 21:51

 

ディスレクシアのある生徒の高校の英語教科書を音読してCDに焼きました。今回は一文ごとに日本語訳も入れて、アニメ声で芝居がかったおもしろCDにするつもり!だったのですが、生徒の感想は「飛行機のアナウンスみたい、ほんまにマキ先生の声なん?」でした。まだまだ私の芸が足りないようです。

 

 

 

 

この生徒は読むことが難しいので、聞くことで学べればいいなと思います。いろいろ試してみてその生徒が得意な部分にどこかでヒットするといいですね。

 

 

また、英語に対する苦手意識も大きくなってしまっているので、「これさえ聞いていればとりあえず内容が分かるオールインワン!」な教材を作る必要があると思ったので、教科書や辞書や諸々を机に出さなくてもすっと学習に取りかかれるよう、英語と日本語を交互に入れて録音してみました。

 

 

これはひとりひとりに個別に作ります。(このCD自体は無償提供です。)読むことが苦手でも、本人が必要としないなら作りません。

 

 

ここはとても難しいところなのですが、試してもらうことはあっても、本人の意思を確認せずに、あるいは尊重せずに、こちらが支援を先回りしてしまうことは、結局のところなんの支援にもなりません。本人の人格と将来に敬意を払わなくてはならないと思っています。

 

 

さて、このCDですが、「もう少しゆっくりな方がいいかも」と言うので、Windows Media Player で再生速度を下げる方法を教えました。

 

 

Windows Media Player を起動したら右下のアイコンをクリックしてプレイビュー画面にします。プレイビュー画面になったら画面上で右クリックすると一覧が表示されるので、「拡張設定」にカーソルを持って行きます。すると「再生速度の設定」が選べるので、そこをクリックすると設定画面が出てきますよ。

 

 

この取り組みに関して、なんと中学校の英語の先生が協力してくださると連絡をくださいました!子どもたちのことを思いながら、これからなにか素敵な展開になるのではとわくわくしています。

英語4線ノートのジョリーフォニックス同音異綴りバージョン

  • 2017.11.14 Tuesday
  • 23:48


以前、ジョリーフォニックスのアイディアを入れた英語4線ノートの記事を投稿しましたが、今回は42音の代わりに同音異綴りを入れたものを作りました。Jolly Phonics Picture Flash Cards などと併用しています。


本当に簡単なものですが、中学生が教科書の単語を書くのに戸惑ったときに「この単語のここ、あの単語のと同じ音で綴りが違うだけなんやな」と、とても分かりやすくなるようです。


綴りと音の組み合わせが無数にあるように思えて圧倒されそうだったのが、頭の中が整理されて「これならできるかも」と意欲的にトライしてもらえるように感じています。


分からないときはここを見るといいよ、という拠り所を提示しておくと安心して試行錯誤できますし、「見ないでやってみる!」「もうできるからいらんわ〜」と案外チャレンジしてくれるもので、それがとても嬉しいです。


実はこちらは、学校の授業の補習をしつつジョリーも入れていく形で学習を進めている、ディスレクシアの中学生のことを思って作りました。


文法を進める前にフォニックスを習得できていれば良いのですが、現状では中学生になって初めて英語ができないということで相談に来られることが多く、進路に直結する定期テストのことを考えると、時間が本当にありません。


しかし、最近は漢字の読み書きで困難を感じている小学生が、英語でもつまずくだろうということでジョリーを始められるケースが増えてきていますね。





今回は、先月のWindows10アップデートで標準フォントとなった「UDデジタル教科書体」を使用しました。ロービジョン(弱視)やディスレクシア(読み書き障害)に配慮されたフォントです。


このフォントにはいくつか種類があるので、これからいろいろ試してみたいと思います。同音異綴りの部分は、同音のものを枠で囲むともっといいかなと考えています。


ちなみに日本語はこんな感じです。通常の教科書体のように強弱がない(細い太いがない)ので読みやすく、字形は教科書体に準拠しているので書き方を教える際に良さそうですよ。


読みたい・書きたい!壁新聞プロジェクト

  • 2017.10.25 Wednesday
  • 22:34

リンクスの掲示板には壁新聞がいっぱい!読み書きが苦手な生徒たち(編集長)が、「漢字教えて!(才を書くと)ちゃう、難しい方の字あるやん(歳なのね!)」「先生、◯◯って知っとう?それのこと書きたいんや」と楽しそうに書いています。


パソコンや iPad で調べものをするときには、ローマ字入力でアルファベットの形も自然に覚えています。今日も生徒が h と n を打ち間違えて、そのときしっかりと形の違いに気付いてくれていました。


私たちは「壁新聞はみんなに読んでもらうためのものだよ」とだけ伝えて、誤字脱字や文法の誤りには一切口を出しません。彼らの学びを見ていると、「伝えたい気持ち」が一番大切なのだなと強く思います。


私たちが何も言わなくても、というより余計なことを言わなければ、


分からない字は調べ、自分史上最高に読みやすい字を書き、字の大きさに気を付け、自分で間違えたと気付いた箇所は自己訂正し、レイアウトを工夫し、話題に合わせて背景の色を塗り、イラストを描き、ネットから画像を印刷して貼り、ときにはクイズも入れて。


読者の視点で自ら考えることで、書くことに意味が生まれるのです。






そして塾ですので学習効果も重要です。保護者の方からはこのようなお声をいただきました。


・書ける漢字が増えた
・字がきれいになった
・文章を読むようになった
・国語の課題で文で答える箇所を飛ばさなくなった
・ST による検査の結果が良くなった
・よく話をするようになった
・表情が明るくなった


みんな本当は伝えたいことを心の中にたくさん持っているのですね。しかもできあがった壁新聞を見ると、とてもユニークで表現豊かなのです!もちろん、英語版も作りたいな、と密かに企んでいますよ。

読みの困難が大きいときは音韻認識活動を

  • 2017.10.17 Tuesday
  • 19:11

 

Toe By Toe などで語を読む活動をする際、VCの2音の語まではスムーズに進んでも、CVCの3音の語になると急につまずくことがあります。読みのスピードが下がったり、読み間違いが増えたりします。間違いを繰り返すことで間違いのまま定着してしまったり(いったん入ったものは修正が難しいです)、意欲が低下してしまったりということを避けるため、そのようなときはいったん文字を離れて音韻認識活動を行います。

 

 

音韻認識とは、音を操作する力です。実は私たちは子どものころ、遊びの中で日本語の音韻認識を育む活動をしています。しりとりでは最後の音だけ取り出す力が求められますし、「た」抜き言葉遊びでは聞いた音をいったん頭の中に留めておき、そこからある音だけ削除するという力が必要です。

 

 

回文では聞いた音を頭の中で逆さまに並べ替える力が必要ですね。(ワーキングメモリという、情報を一時的に保持しつつ、同時に物事を処理する力の問題もかなり関係してきますが、それについては後ほど述べます。)この力が、読み書きの基礎となるのです。その英語バージョンが、ここで行う音韻認識活動です。まずは、音のたし算(混成)から行います。文字は一切使いません。

 

 

例えば、/u/, /f/ と私が言ったのを聞いて、生徒が「uf」と答える、/b/, /e/, /x/ と言ったのを聞いて、生徒が「bex」と答える、というふうにします。もちろんここでも、指導者はアルファベットを音読みで言います!そしてやはり母音は難しいので丁寧に。詳しくは Toe By Toe の過去記事をご覧くださいね。

 

 

ただ、ここでも3音以上の語になると、うまくいかないことがあります。例えば、/a/-/t/, /d/-/ay/ などの混成はできても、/p/-/i/-/n/, /r/-/oa/-/d/, などでつまずくことがあります。いくつか原因はありますが、ここでは2つ原因を挙げ、その対処についてご紹介したいと思います。

 

 

1)言語性ワーキングメモリに問題があると思われる場合

 

 

上で少し触れた言語性ワーキングメモリについては、発達検査や知能検査などで予め分かっているケースもありますが、やはり実際の学習の様子を見て分かることのほうがはるかに情報量は多く、学習の場面において役に立つように思います。(特に算数や数学を見るとすぐ分かりますね。)気になったときは、数唱(順唱・逆唱)させてみたり、聞く力を使うクイズに答えてもらったりして確認することもあります。普段から聞き返しが多くないかもよくみます。

 

 

この場合、音素より大きな単位であるオンセット‐ライム単位で混成していきます。単位を大きくすることで音の数が減りますので、短期記憶の負荷を減らしつつ混成活動を行うことができます。母音の前の部分がオンセット、母音を含む後ろの部分がライムです。

 

 

 

 

 

 

 

私がオンセットを言うと同時に片手を出し(生徒から見て左側の手)、ライムを言うと同時にもう一方の手(生徒から見て右側の手)を出し、両手をくっつけるときに混成してできた音を言ってもらいます。一定のリズムで行い、途中で余計なことを言わないようにすることが大切です。余計なことを言うとその音が頭に残ってしまい、うまく混成できません。慣れるまでは、ライムは同じでオンセットだけ変えた語を連続で練習するとスムーズです。

 

 

また、音の数と同じ数のおはじきを提示し、視覚的な補助とするのも良いようです。上の赤い4つのおはじきは、例えば /s/-/p/-/a/-/n/ の4つの音を表しています。おはじきをひとつずつ指で押さえながら音を言うと分かりやすいようです。場合によっては、赤を母音、青を子音とするのもよいかもしれません。(以前の記事でも書きましたが、色を扱うことが活動に含まれる場合は、色覚に特性のある生徒(色覚異常など)に配慮する必要があります。)

 

 

 

 

 

 

2)母音と子音の結び付きが困難な場合

 

 

例えば、/d/-/a/-/t/ の da の部分の混成が困難なことがあります。CVはローマ字から連想しやすいだろうと思われるかもしれませんが、ディスレクシアのある生徒のなかには、既習であってもローマ字がほとんど定着していない生徒が多くいます。(しかしだからこそ、この活動を行うとローマ字読みにならずにとてもきれいな発音になります。ただ発音にこだわるわけではないので、これはおまけの喜びですね。)

 

 

国語の特殊音韻の読み書き学習で、例えば「きゃ」を「き・・・・や」「き・・・や」「き・や」「きゃ」と練習することがありますよね。それと同じことを英語でもして見せると分かりやすいようです。このようなワークブックがありますので、このページを参考に(文字なしで)音韻認識活動を行います。

 

 

A Workbook for Dyslexics:Cheryl Orlassino p.16 

 

 

 

 

 

以上のような音韻認識活動を行い、文字なしでの音の足し算がスムーズに進むようになったら、改めて文字を使った混成に戻るとうまくいくことが多いです。「あっ、そういうことやったんや」とつぶやき、「もっと読みたい!」と、服やかばんに書いてある英語を読み始めて、そうか、それが読みたかったのね〜!と思う瞬間をとても愛おしく思います。

 

 

なお、音韻認識活動については、神戸山手短期大学 村上加代子先生にご教授いただき実施しています。村上先生とは英語教育ユニバーサルデザイン研究会(https://www.manabishien-english.jp/)でご一緒させていただいていますが、改めてここに感謝の意を表します。

指示代名詞の説明についてのちょっとしたあれこれ

  • 2017.09.28 Thursday
  • 11:25


英語の指示代名詞で混乱する生徒への説明プリントです。近称と遠称の空間的・時間的・心理的な距離を視覚的に分かりやすくするため、矢印で表しました。いつもは手描きだったのですが、最近私がエクセルにはまっているので作ってみました。


すでに話題に上っている物事を指す人称代名詞も吹き出しに入れていますが(会話文の受け答えなどで、ここも混乱しますよね)、情報が多いと混乱するような生徒には最初は消しておきます。

 

 




英語の指示代名詞は日本語の指示代名詞と少し違うので要注意。指導者が国語の文法範囲の復習をして、英語と比較もするとすっきりします。私もしょっちゅうおさらいしています。


そして大切なことがひとつ。ASD(自閉症スペクトラム)のある生徒の中には、「それ取って」「あそこに置いてね」という指示が分かりづらい子がいます。「それ」「あれ」といった指示語が具体的に何を指すのか理解が難しく、コミュニケーションがうまくいかないことがあります。(かく言う私も実は苦手です。)


話し手と聞き手の関係性やその場の会話における文脈の理解が難しかったり、心の理論(他者の立場で物事を考える)が未発達だったりということが原因として考えられます。知的に高い生徒でも意外と分かっていなかったりするので、普段の雑談などでさりげなく確認しておくこともあります。


その場合、例えば教室の中だと「this, these は手の届く範囲くらいだよ(手の長さを測って具体的な数字で言うのもあり)、that, those は手が届かないね」と伝え、机の上と教室の端に具体物を置いて、英語で(それ以前に日本語で)やり取りして、感覚をつかめるよう練習しています。中途半端な所に物を置いて、「どっちかなあ。あれれ、立ち位置によって変わる?」と生徒と話し合うのも楽しいです。

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